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【日本人とこころ】白川静と出遊(上) 漢字を読み解く知的冒険 (産経新聞)

 白川静という人は、漢字の研究者だと思っていた。実際そうなんだけど、知れば知るほど、それでは言い尽くせないと思える。哲学者とか思想家と呼ぶほうが、しっくりする。それほど著書の一行一行は深遠だ。

 《漢字は、人類にとっての貴重な文化的遺産である》

 そんな一文を記した『漢字』(岩波新書)が出版されたのは昭和45年。のちに『字統』『字訓』『字通』の字書3部作などをまとめる白川が60歳にして世に問う、初めての一般向け書籍だった。

 古代の文化圏には、シュメールの楔(くさび)形文字やエジプトのヒエログリフなど多くの象形文字が生まれた。ただ、そのほとんどが滅び、漢字だけが「表意文字」として生き残っている。漢字の体系を研究すれば、人類の歴史を知ることができる、と白川は語り始める。前代未聞の知的冒険だった。

 40年も前の本なのに、いま読んでも新鮮。あちこちでハッとさせられる。何気なく読み書きしている自分たちの言葉が、なにやら異形のものにみえてくる。

 一昨年に『白川静 漢字の世界観』(平凡社新書)を著した松岡正剛(せいごう)さん(66)は「衝撃的だった」と振り返る。

 「どきどきするんですね。漢字がそれほど心と体を揺さぶるものだとは思っていなかった。すごいのは、それから30年経ってもぶれなかったこと。それ以前の数十年に洞察を重ねていて、最初から結論を持って登場した感じでしたね」

                   ◇

 白川の有名な業績のひとつに「D(サイ)」の発見がある。「言」や「告」の一部を成しているのは「口(くち)」ではない。祝詞(のりと)を入れる器を指す、と看破した。独自に甲骨文(こうこつぶん)や金文(きんぶん)を研究して、従来の説を覆したのだ。ちなみに従来の説というのは、約1900年前に後漢の許慎(きよしん)が記した最古の漢字字典『説文解字(せつもんかいじ)』を元にしている。漢字の研究史を根底からひっくり返す新説だった。

 「口」だろうが「D」だろうが、たいした違いはない、と思えるだろうか。たとえば「言」は、祝詞に入れ墨の針を添えたかたち。「害」は大きな道具で祝詞の器を壊すかたち。そう言われると、古代社会の営みが、強く呪術(じゅじゅつ)と結びついていたことが思い浮かぶ。白川の使った言葉に従えば「呪能(じゅのう)」。それこそが漢字の本質だと語る。

 《文字は、神話と歴史との接点に立つ》《原始の文字は、神のことばであり、神とともにあることばを、形態化し、現在化するために生まれたのである》(『漢字』より)

 古代社会には、まず話し言葉(声)があった。それから書き言葉(文字)が出現した。声に文字をあてるとき、世界観や社会観、人間観が宿ったはずだ。ならば逆に、漢字を読み解くことで古代社会の様相も見えてくる。白川の学問は、そんな直観からスタートしている。「超難問だったと思いますけれども」と松岡さん。

                   ◇

 言うは易(やす)く、行うは難し。どうやって、読み解いたのか。白川が甲骨文や金文を丹念に書き写していた話はよく知られている。

 門下生だった立命館大学講師、高島敏夫さん(62)によると、写したものからそれぞれの文字ごとに使用例を抜き出して、用例索引として整理していた。そうすると次第に、特定の文字が、どういう場所でどういう風に使われているのかがわかってくる。と、書くのは簡単だけど、実際にはとんでもない手間だ。

 「砂をかむような地味な作業ですが、白川先生は、こういう作業をすれば体が覚えるんだとおっしゃっていました。頭の中に辞書ができる、と」

 前人未到の道を、独力で切り開いた白川。『回思九十年』(平凡社)に所収の呉智英さんとの対談で、こんな言葉を残している。

 《私はそういうなかで遊んでいたようにも思います。好きなことを、好きなように楽しんできたのです。どのような苦しみも、時は楽しみに変えてくれる魔術をもっている》(篠原知存)

                   ◇

 ■休みは正月三が日だけ/活字なく手書き謄写版で論文

 「朝9時から夜の10時すぎまで、ずっと研究室にいる。日曜なんてない。休みは正月3日間だけでした」

 白川静の門下生だった摂南大学教授の谷口義介さん(66)は、学究一筋だった恩師の暮らしをそう振り返る。「下調べからなにから全部ひとりでやってしまう。お手伝いできるのは、校訂ぐらいでしたね」

 謄写版(ガリ版)も自分で切った。甲骨文や金文には、適切な活字が存在しない。でも文字の“表意性”についての研究だから、かたちを表す必要がある。いまは技術が進んで複雑な印刷も可能だが、最初は謄写版しか方法がなかった。

 長く研究を手伝った長女の津崎史(ふみ)さん(68)が、一般書として『漢字』(岩波新書)を出版したときのことを思いだして笑う。「担当編集者から、お願いだから活字にできない文字を減らしてくださいと頼まれました。とにかくゲタ(活字がないことを示すムムマーク)だらけですからねえ」

 ウワサの謄写版論文を拝見すると、驚くほど端正な文字が並んでいた。講義用に使う資料も自分で刷っていたという。前例のない研究だけに、さまざまな課題はあったはずだが、こうして残されたものを見ていると、軽々とやっていたように錯覚しそうになる。

 超人的な頭脳の持ち主だった。最晩年に市民講座「文字講話」を開いていたが、そのテキストを書くときの話。史さんいわく「下書きなしでいきなり書く。消したり書き直したりしない。最初から最後まで文章ができていた」。

 記憶力も驚異的。おびただしい数の漢詩や和歌を暗記していた。「苦学したから、本は古本屋で読む。『一度しか見られない』と思うと覚えられたそうです」。ところがある時、万葉集の歌が1、2首、どうしても出てこなかった。「だめだなぁとぼやくんですが、90過ぎてすらすら出てくるほうが不思議ですよね(笑)」

 史さんの夫、幸博さん(64)は、義父のこんな言葉を覚えている。

 《質素な生活が、豊かなものを生み出す基礎になるんです》

 著作は、全集のほか、新書、ムックなどでも入手できる。ぜひご一読を。

                   ◇

【プロフィル】白川静

 しらかわ・しずか 明治43年、福井県生まれ。小学校卒業後に大阪で働きながら夜学に通った。「詩経」と「万葉集」を読むことを目標に独学。昭和18年に立命館大学を卒業。中学教諭などを経て、29年に同大学文学部教授。謄写版で発表した「甲骨金文学論叢」などで次第に知られるようになり、『漢字』に続いて『詩経』『孔子伝』など一般向け書物を相次いで刊行。大学を退職後に『字統』『字訓』『字通』という字書3部作を1人で書き上げた。菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。平成16年、文化勲章受章。18年に96歳で死去。

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